
愛息の十三詣りを数えでしてやれず、満の本年に。
昨年は、店と家の改築でスタジオの撮影メニューも中止にしており、とてもそれどころではなく一年先延ばしにしていた。
新店舗でのスタジオ組み、撮影のテストも兼ねたセルフ祝い。
それはそれで結果的に、春の卒業時にはハイウエストであった袴が、秋には腰で履けるようになっていて、結果オーライ。
成長痛に悶えて来ただけのことはある。
十三詣りは、関西が中心で特に京都では七五三と同等な節目の行事扱いだが、他府県ではしない地方やそこまで重要視していない地域もあるとみる。
わたしも松江で祝ってもらったが、振袖を着るという認識ではなく、祖母と母がアンサンブルを誂えてくれて、それを正月などに着ていた。
こうして京都で仕事をするようになって、十三詣りに振袖や制服などできちんとお祝いすることを目の当たりにして、へぇ〜と思ったのである。
レンタルとしても使えるので、息子には既製品の羽織袴を買って、卒業式に着たが、なるべく着れるだけ着せたいと思っているので、十三詣りを後回しにしてむしろ正解であった。(数えでやってないのに正当化)
お詣りは、嵐山の法輪寺が有名で、神社や他の寺でもしてくれるところもあるので、氏神が常套とは思いつつ、わたしの中では決めていた神社があり、そこに詣る以外にしっくりこない。
わたしが一番好きな神社であり、御神木に縁がある新熊野神社へ。
事前の電話で、うちは神社ですよ?お寺さんでなくていいの?と逆に質問されましたが、わかった上でお願いしている旨を伝えると、快く祈祷を受けて下さった。
十三詣り用に祝詞もお下がりもして頂き、十三詣りの由縁なども詳しく教えて頂いた。
御神木の樟木詣りもして下さり、木の皮のお下がりを頂き、大変有難く嬉しかった。大事にする。
ずっと入ろうと思って実行していなかった樟木保存会にも加入し、余は満足。
植えた人、植えた時期が明確に記録に残っている樟木。
この条件で樹齢九百年という木は、世界にもこの木だけだろうということだった。
他にも神社の歴史や特徴など、自分の知識以上のことをたくさん教えて頂いた。
お下がりの干支の置物は、満なので息子の酉ではなく、戌。
干支の置物を集めているわたしは、酉だけやたらあるので正直、酉より戌のほうが嬉しい。笑
結果オーライ其の二。





すべて家内制手工業でやるのであるが、娘だともう少しやり甲斐があるのだが・・といつも思ってしまう。
しかし、今回はいつになく感慨深く、複雑な心境を味わった。
七五三、卒園や卒業、中学入学、いずれも通過儀礼のように割とクールに見届けてきたが、この日は違った。
本当に大きくなったと心底感じた。
「可愛い」という言葉はもうこの先出ることはないのだろうという大人の階段が見えてしまったというか。
それは夫も同じであったのだろう。
二人して口から度々突いて出る言葉は、「おっきなった。」「おっきなった・・。」であった。
嬉しくも寂しくもあり、そのどちらでもないまた別の感覚のような不思議な感情に包まれた。
願いはひとつ。
誠実で面白い男になってください。
母より。(↑二つやん 笑)


奈みこ